キープアウト!
これも、6年間のツケなんだ。

あたしが泣いていた間。
マスターは何も言わずに側にいてくれた。

それだけで。
少しずつ心が落ち着き始めた。

「マスター、ごめんね。取り乱してて」

「気にするなよ。樹里はオレの妹みたいなもんだからな」

「とりあえず、ビール頼んでいいかな? あとエビマヨとチャーハン」

「了解。こんな辛い時は、美味いもん食うのがいいよ」

マスターは、ビールを差し出しながら言った。

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