キープアウト!
病人に、頑張ってなんて無理難題な…と思いながら。

「ありがとう…」

彼は声を振り絞って言っていた。

何かを待つ時の十分とは長いものだった。

そして。
ようやく、救急の人たちが訪れた。

気がつけば。
野次馬ができていた。

彼は担架で運ばれて行く。
病院には、何事かと通りかかっていた、彼の上司が付き添うことになった。



それから。
数日後、彼は盲腸だと噂で聞いた。

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