キープアウト!
彼氏じゃない男の束縛
15分くらい経って、佐伯の車が見えた。

あたしが車に乗り込むと、

「樹里…」

佐伯があたしの胸元を見て呆然としていた。

「へっ…?あっ!」

胸元を見るとボタンが外れたままになっていた。

慌ててボタンを止めた。

そうだった。
拓也の家を出る時、恐怖心が強くて制服の上着だけ羽織って出てきたんだ。

ボタンを外されたことなど頭になかった。

ただ逃げたくて必死で逃げてきたんだ。
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