六角関係
「あるところに…一人の女の子がいました。女の子は、一年前から好きだった男の子と、付き合うことができて、とっても幸せでした。」
言い終えて、息をつく。
まだ、続きがある…。
「…でも、女の子は…。女の子は、男の子が、あまり楽しそうじゃないのに気付きました。女の子は男の子に幸せになってほしい、と思いました。本当に好きな子と付き合ってほしい、と思いました。」
涙がつう、と落ちた。
「だから…。」
わたしは、竜太郎君の目をまっすぐ見た。
「別れよう。」