六角関係
「沙由里の誕生日がもう少しだから、何かあげた方がいいのかと思って」
竜太郎が私の気持ちを無視して言う。
私はなるべく沈んだ気持ちを顏にあらわさないよう努力して言った。
「じゃあ、なんかあげなきゃね。何がいいかなぁ。長く使える物がいいよね」
「そうか?」
「うん。あ花とかはすぐ枯れちゃうし…アクセサリーとかがいいよね。」
「はぁ…。って、そういうのはどこで買えばいいんだ?」
「駅前の雑貨屋とかで売ってるよー。何なら帰りに一緒に行こうか?」
冗談のつもりだったのに、竜太郎は、うなずいた。
って…じゃあ沙由里ちゃんは?
沙由里ちゃん、今日は一人で帰るの?