六角関係
にっこり笑いながら続ける植木君。
「ぼく、自然保護部に入ってるんですよ。そこで、人がどれくらい周りに目を向け、自然を気にしているか、調べてるんです。その方法はこれ!」
イチョウの木を指差す。
「道の真ん中に小さいイチョウの木を植えて、人の反応とかを調べるんです。その結果、この木をメーワクそうな顔で見たり、不思議そうな目で見たりした人が十五人、蹴っ飛ばした人が三人、悪口を言った人が二人、そしてセンパイみたいにぼんやりしていてぶつかった人が六人です。」
ぼんやり…。