六角関係
「大変ねぇって…お前もマフラー、東野にあげるんだろ?」
竹内の手が止まった。
「あげないよ⁈あんな奴になんて、あげない。あいつもあたしにくれないだろうし…。」
「えっ。じゃあそのマフラーは?」
俺は竹内が編んでいた深みどりのマフラーを指差す。
竹内は少し首をかしげて言った。
「げんじつとーひ。」
ひらがなモードになっている竹内。
現実逃避って…。
まぁ、いいか。
「で、どうすればいいと思う?」
聞いてみると、
「さあね。クリスマスだしさぁ、自分で選んだ方が沙由里ちゃん、喜ぶよ。」
「未来と同じこと言うんだな…。」
あきらめて首をふると、竹内は顔をしかめて聞いてきた。