待ちぼうけの恋煩い【完】
『そんなわけないでしょ。現実見なよ、現実』
私は、そんな未来を呆れたような表情で見つめた。
『え〜?夢見るくらいいいじゃんてか、千春は理想とかないわけ?私は、イケメンでちょいワルだったらもぉ、最高〜!』
うっとりと自分の世界につかっている未来。
これは、しばらく話しかけないほうがよさそうだ。
私はそう思い、未来から視線を外し、ふいに窓の外を見つめる。
私にだって……会いたい人はいるんだよ…
そう思ってため息をついた。