待ちぼうけの恋煩い【完】
『どうも、七瀬千春です』
髪色とは違って、意外に性格は普通なのかもしれない。
それにしても…同姓同名っているんだなぁ…
『ふ〜ん、千春ちゃんて呼んでもえぇか?』
未だにニコニコ笑顔で私にそう尋ねる高倉くん。
『あ、はい』
私は、そう言ってニコリと微笑み返す。
『オレのことは…せやな……奏ちゃんて呼んでくれへん…?なぁ、千春ちゃん?』
……ん?
今、一瞬、高倉くんの目がキラリと光ったような気がした。