待ちぼうけの恋煩い【完】


『へ…?』



私は、その瞬間、ポカンと口を開けていた。





『せやから、千春ちゃん、オレンジ好きって言ったやん』





そう言って、少し不機嫌そうに私を見つめる奏ちゃん。






『…オレンジは好きだけど…』





確かに、オレンジは、私が一番好きな色だ。





『奏ちゃんに言ったっけ?』




私は、首をかしげながらそう呟いた。




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