待ちぼうけの恋煩い【完】
『おい、そこ、仲良くなるのはやいじゃないか!』
教壇の前からニヤニヤと笑う先生の顔が見える。
女子たちの視線もなかなか痛い。
『あ、いえ…』
『はい、千春ちゃんは、幼なじみなんで』
私が慌てて先生に否定しようとした途端、私の声をさえぎって奏ちゃんがそう言い放った。
…てか、共通語もちゃんと話せるんだね…
なんて、とんちんかんなことばかり考える私。
そりゃ、小学校に上がる前までこっちに住んでたんだから当たり前か…。