待ちぼうけの恋煩い【完】
それは、ある日のこと…。
いつものように幼稚園に通い、いつものように一緒に帰っていた私と奏ちゃん。
『奏ちゃん、もうすぐ、私たち小学生だね?ランドセル楽しみだな〜、私はね、オレンジにしようかな〜?オレンジ好きだし』
なんて、ニコニコ笑顔で話し掛ける私。
『そうだね…』
私は、そんな奏ちゃんの反応に首をかしげた。
いつもなら、元気よく返事をしてくれるのに。
なぜか、その日の奏ちゃんはいつもと違っていた。
『…奏ちゃん…どうかしたの?』
心配になった私は、ポツリとそう呟く。
その時、奏ちゃんがピクリと反応をしめした。