待ちぼうけの恋煩い【完】
『お呼ばれ…?』
不思議そうに私が首を傾けると、
『え?聞いてないん?おっかしいな…おばちゃんが言うとく言ってたんやけど…』
驚いた表情で私を見つめる奏ちゃん。
…もしかして、お母さんが朝、言い掛けてたのってコレのこと…?
私は、ようやく理解した。
…朝、きちんとお母さんの話を聞いてればよかった
と、今更ながら後悔する。
『あ、ううん、聞いてたよ、あはは』
そう言って、奏ちゃんに苦笑いを浮かべながら私は、心の中でため息をついたのだった。