待ちぼうけの恋煩い【完】


『…あのね、千春…』




言いにくそうに口ごもる奏ちゃん。





『なぁに?』




幼い私は、奏ちゃんの些細な変化に気付けなかった。



だから、全然深く考えてもいなかったんだ。






『……オレ、引っ越すんだ…』





奏ちゃんが私の前からいなくなってしまうことなんて…。




< 4 / 63 >

この作品をシェア

pagetop