待ちぼうけの恋煩い【完】
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時間は、経つのが早い。
気付けば、もう私の家の前。
『あら〜!奏也くん!!まぁ、こんなにカッコよくなっちゃって!!』
うふふ、といつもは浮かべないような笑みを浮かべる母。
正直…不気味だ。
『お久しぶりです、おばさん。相変わらず、おきれいですね』
なんて、甘いマスクで奏ちゃんが言うもんだからお母さんはメロメロ状態。
『まぁ…きれいだなんて…おほほほ、さぁ、立ち話もなんだから入っちゃって!』
『お邪魔します』
奏ちゃんは、そう言いながら私の家に入った。