待ちぼうけの恋煩い【完】
『奏ちゃん…もしかして、具合とか悪い?』
学校では、あれだけ元気だったのに、私の部屋に入ってからかなりおとなしい奏ちゃん。
…なんかおかしい…。
少なからず私は、そう感じていた。
『別に…具合悪いわけやないんやけど…』
奏ちゃんは、口籠もりながらそう答えた。
『じゃあ、どうしたの?転校初日で疲れたとか?』
首をかしげながらそう問う私に奏ちゃんは、視線をそらしながら何かを呟いた。
『…からやねんけど…』
『へ?』
『せやから、久しぶりに千春ちゃんにあえて緊張してんねん、しかも、千春ちゃんの部屋で二人きりとか…めっちゃ心臓に悪いわ』
そう言って…はぁ、と盛大にため息をつく。