待ちぼうけの恋煩い【完】
『え?引っ越す……?』
私は、目を丸くして奏ちゃんを見る。
『うん、引っ越すんだ…』
そう言った、奏ちゃんの切なそうな顔は今でも忘れられない。
『…引っ越すって…』
『オレ、大阪に行くんだ…この町を出て…』
その瞬間、私は、ようやく事態を飲み込めた。
『大阪…?い、いつ、帰ってくるの?小学校は…?』
目の前がじわりとぼやけてくる。
とりあえず、奏ちゃんがいなくなるってことはわかった。
そんなの、絶対嫌!