待ちぼうけの恋煩い【完】
『…なぁ、千春ちゃん、抱き締めてもえぇ?』
そう言って、千春ちゃんを見つめた。
千春ちゃんは、困惑そうな顔をしていたけど、気づくと…構わず、抱き締めていた。
『……千春ちゃんに会いたかったから』
それだけ呟き、オレは千春ちゃんに軽いキスを落とした。
『…わ、私も、会いたかったよ?』
そう言ってくれた時は、本当に死ぬんじゃないかってくらい嬉しかった。
――――もう離す気ないから覚悟してや?
オレの我慢した10年分の思いを…。
*END*