家元の寵愛≪壱≫
『では、第◎回 △△大学紅葉祭 ミス・キャンパスコンテストを開催いたします。エントリー№1 外国語学部 1年 藤堂ゆのさん』
「えっ?!!!」
わわわわ、わっ、私!??
ステージ裏で“出て!”とスタッフが指示を出す。
観客席からは“ヒューヒュー”と
凄まじいほどに盛り上がり、
すぐ脇では候補者から白い目で見られ
仕方なく、ステージへと歩き出した。
私が姿を現すと次々と候補者が呼ばれ…
『こんにちは~』
「こんにちは」
『和服がとてもお似合いですねぇ~』
「あ…ありがとうございます…」
スタッフの声に流されつつ、
ステージ上で立ち尽くす私。
ステージ上には合計6人の候補者が。
スタッフの中間発表によると、
事前投票で2位の子に15票の差を付け
私が1位になっているらしく…。
これから会場にいる人達に参加して貰い
ミス・キャンパスを選ぶと言う。