家元の寵愛≪壱≫
……ん?
………ミス??
私、結婚してる!!
『ミス』じゃない!!
これは辞退理由になるんじゃない?
着々とルールが説明される中、
私は周りをキョロキョロして、
近くにいるスタッフを探した。
すると―――――、
『では、制限時間10分の間に、一緒にゲームに参加してくれる男性を連れて来て下さい』
えっ?!!
今……何て??
【一緒にゲームに参加してくれる男性を連れて来て下さい】
……そう、聞こえたよね?
えっ、何それ……。
説明、全然聞いて無かったよ。
より一層、キョロキョロと見回すと…
『よーい……ピーッ!!』
鋭い笛の音と共にアップテンポの曲が流れ
会場からは声援のような喚声が上がった。
そして、ステージ上にいた候補者は
一斉に会場内へと走り出す。