家元の寵愛≪壱≫


貸した着物を回収して、自宅へと戻った私。


1日中バタバタ過ごしてクタクタで…。


「隼斗さん、お先にお風呂入って良いですか?」

「ん?あぁ、いいよ。疲れたろ…ゆっくりしておいで」

「………はい、すみません」


夕食も終えている私はお風呂へと。

隼斗さんはテレビを観ながらビールを飲み出した。



お風呂から上がり、お肌の手入れをして…

その間に隼斗さんはお風呂へと。


髪も乾かして、着物の整理をしていると


「キャッ!!」


お風呂上がりの隼斗さんに

突然、後ろから抱きしめられた。


「ゆの」

「はい」

「………」

「ん?どうかしたんですか?」

「ん……何でも無い」

「何ですか?言いたい事があるなら、言って下さい」

「………」

「隼斗さん?」



少し声のトーンが低い気がして…

気になった私は、彼の方へ振り返り…


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