家元の寵愛≪壱≫
啄まれる唇の隙間から、
止めどなく甘い吐息が零れ出す。
少しずつ迫り来る甘い誘惑
私の思考を蕩けさせるほどの口づけ。
息苦しさと朦朧とする意識の中、
彼の腕をそっと掴んだ。
すると、
甘い余韻を残して、離れて行く彼の唇。
私は無意識に彼の腕を強く掴んだ。
「ゆの」
「ん?」
「俺をどこまで追い詰めたら気が済むんだ?」
「へ?」
「覚悟しろ?正気じゃいられなくしてやる」
「ッ??!!!////////」
口角を少し上げ、
妖艶な笑みを浮かべながら
ペロリと唇を舐めた彼。
妖艶な眼差しは獰猛な眼差しへと変化する。
………隼斗さん?
何を……する気なの??
じっと見下ろす鋭い視線は
服をも貫通して肌に伝わる。
「……は…やと……さん?」
震え気味の声で必死に呼ぶと、