家元の寵愛≪壱≫
十一 告白


12月中旬――――

大学の食堂で玲と昼食中。


「その後は?」

「ん……微妙な感じ?」

「隼斗さんってやっぱり鋭いよね?」

「んー……」

「だって、クリスマスやバレンタインの時だって…」

「うん…」


先月の紅葉狩りの際に疑われた

 『授業時間』のこと


藤堂家に籍を入れてから考えていた事。


隼斗さんとの結婚は急展開過ぎて

実際、ゆっくり考える暇が無かった。


それに、大学入試は推薦枠で既に決定してたし

両親が不在の状態で未来を思い描くほど

私には心の余裕が無かった。


その日その日を何とか過ごすので精一杯で、

やりたい事や出来る事を考える事が無かった。



隼斗さんとの出会い……結婚

そして、幸せなこの生活。


今の私とこれからの私

一体、私に出来る事は……?


私は私なりに一生懸命考えてみた。

そして、辿り着いた結論が……



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