家元の寵愛≪壱≫
「ん、軽くでいいから」
目を閉じたまま、私からのキスを待つ彼。
そんな風に待たれても……。
ドキドキしすぎてどうしていいのか…。
今にも口から心臓が飛び出しそう。
「む、無理です」
「………」
身動き1つせず、
私からのキスを待っている。
最近、ますます意地悪になって来た。
はぁぁ~~もう、ホントに……。
私は小さく息を吐いて――――
ゆっくり、彼の顔に近づき始めた。
今までに無いくらいドキドキして、
身体が勝手に震え始めた。
そして―――――
ほんの僅かに唇の端に触れるだけのキスを。
私は真っ赤な顔で彼から離れると、
「それだけ?」
「へ?」
思わず、彼を見下ろすと不敵に微笑む彼が。
「いいいい、今、しましたよ?」
「ん……もっと」
「えっ?!!////」
「そうやって困る顔もそそるねぇ」
「なっ!!////」
私が目を見開くと、