家元の寵愛≪壱≫
隼斗さんは就寝前に必ず、着物を2枚衣紋掛けに吊るす。
目覚めた時の気分で着物を決めているのかと思っていたら、
1枚目は朝稽古用、2枚目は本稽古用だという。
毎日、朝稽古は本宅の茶室にて4時からの1時間。
その後は一旦この離れに戻って来て、再び就寝。
7時に呼び出しの声がかかるまでぐっすりと。
丁寧に着物を畳む時間が惜しくて、
脱がずに寝ている事が判明。
ホント、初めて見た時は驚いたよ。
パジャマのハズが和服なんだもの。
もしかして……夢遊病??
これって夢なのかな??
……だなんて思ったくらい。
1カ月近く経てば、
この状況にも驚く事は無くなった。
……けれど、
かなり困っている事が1つ!!
着物の裾が肌蹴て隼斗さんの足が丸見え。
そして極めつけは……
襟元が緩んで鍛え抜かれた
均整のとれた胸板が………。