家元の寵愛≪壱≫


私の腕をポンポンと軽く叩く彼。

背後から抱きしめるような格好から腕を解き、

彼から身体を少し離した。


すると、隼斗さんは優雅な動きで私の方へ向き直し

柔和な表情で目の前に。


いつ見てもイケメン過ぎる。

そんな風にじっと見つめられたら……。


「誘うのはやめろ」

「なっ!!さ、誘ってなんて「誘ってんだろ」

「ッ!!////」


あまりにじっと見つめるものだから、

思わず、彼の着物の袂を掴んでいた。


……無意識って怖い!!


私が慌てて手を離すと、

スッと立ち上がった隼斗さん。

その動きも優雅で華がある。


私もまた立ち上がろうとすると、


「ん」

「?!」


目の前に彼の手が。


「はい」


私は彼の優しさを受け取り、

彼の手をそっと掴んだ。


彼の手に引き上げられるように立ち上がると、


「んッ!!////」



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