家元の寵愛≪壱≫


凛々しいほどの彼の表情は

真剣な瞳の裏に、

どこか……孤独に似た感じを覚えた。


なんだろう……この感じ。


隼斗さんは静かに踵を返し、

お弟子さん達のもとへと歩き出す。


そんな彼の背中を見つめて……。



「ッん?!………ゆの?」

「………」

「………どうした?」


隼斗さんが驚くのも無理はない。

だって、私……彼の背中に抱きついている。


「………ゆの?」

「あと、10秒。ううん、5秒でいいんです」

「………ん」


隼斗さんは黙ったまま……。


私は心の中で、彼の背中に囁き掛ける。


『大丈夫です。1人じゃないです。私が決してお傍を離れませんから』


何度も何度も囁き掛けた。



ゆっくり腕を解くと、

優しい表情で振り返った隼斗さん。

ゆっくり私の顏に近づき、耳元で


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