家元の寵愛≪壱≫

んッ？！

何だ、コレは？？


ディスプレイに表示された

とある文字に視線がロックされた。



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土曜日なら空いてるから

　何時でもＯＫ！


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何てこと無い、ただのメールだが

その送信者の名前が気に障る。



『圭介さん』



これって、完全に“男”だよな？


静や千秋という名前ならどちらとも取れるが、

まさか、圭介が“女”である筈がないし。



ゆのの学部に

『圭介』という名前の男がいたか？



脳内の記憶を辿り、

学生の名前を思い返すが

『圭介』という名の学生はいない。


って事は、高校時代の同級生か？



いや、待て。

『さん』付けしてるって事は、年上だよな？



俺は誰だか分からぬ男に対して、

苛立ちを露わにし、携帯を握りしめた。



―――――その時！！