家元の寵愛≪壱≫
「隼斗次第だ」
「………??」
――――俺次第……?
それってどういうこと?
俺は親父の顔をじっと見つめていると、
「要するに、2人の時間が無さ過ぎるのが原因なのか?」
「ッ!!!べ、べっ、別に……」
言い訳しようにも上手い言葉が見つからない。
あ゛ぁぁぁ~~~あぁ~~~、
もう、どうにでもなれ!!!
「あぁ、そうだよ!!毎日毎日早朝から晩まで、俺だけならともかく、ゆのまでクタクタで…」
「シてないのか?」
「ハッキリ言うなッ!!」
「別に隠す事じゃないだろ。いずれは親になるんだ」
「………」
「で、どうなんだ?」
親父は母さんに似て来たようだ。
長年一緒にいると頭まで可笑しくなるらしい。
俺はかなり投げやりに…
「あぁ、そうだよッ!!まだ1回もシてない!!これでいいか!?」
俺は恥ずかしさのあまり、襖の方に視線を逸らした。