家元の寵愛≪壱≫
参 妻の責務
大学から帰宅すると、母屋の玄関前で仁王立ちのお義母様。
「た……ただ今、戻りました」
お義母様の表情がいつもと違い、
何だか今日はひと際意気込みを感じるのは気のせい?
「ゆのちゃん、急いで!!」
「えっ?」
強制的に連行されるように離れへ。
「時間が無いの!!急いでシャワーを浴びて来て!?」
「はい?」
「服は一式用意しておくから、ほら急いで!!」
無理やり浴室へと放り込まれた。
何が何だかさっぱり分からない。
とりあえず、言われるままに急いでシャワーを。
用意された服はグレーを基調としたバルーンワンピ。
ハイウエストの切替でシフォンのリボンで結ぶ形。
凄く可愛くてうっとり見惚れてると…
「ゆのちゃん、入るわね?」
「えっ!?」
勢いよく扉が開かれ、お義母様が入って来た。
「じっとしててねぇ~」
何やらボディクリームのようなモノを身体に塗られ
仄かに甘い香りが辺りを漂い始めた。