家元の寵愛≪壱≫
「いいですよ」
「へ?」
「キス………してもいいですよ//////」
「ッ?!!/////」
自分で言っておきながら照れる。
だって、普段ならそんな言葉口にしない。
多分、彼はこう思っている。
私が熱に浮かされて、
普段言わない事を口走っているのだと。
だけど、今日ばかりはそれを逆手に取る事にする。
じゃなきゃ、私の心が癒されない。
「………キス……だけでいいんですか?////」
「え?」
「どうせ、キスしたら風邪がうつるじゃないですか」
「………」
「だったら、ウイルスだけじゃなく、私も貰って下さい////」
「ッ?!///////」
「………ダメ………ですか?/////」
普段言い慣れない言葉を口にするのは物凄く勇気がいる。
それに、こんなにも近くに彼がいるのだから。
電話越しとかなら、もう少し落ち着いてられたんだろうけど。
「マジで言ってんのか?」
「………はい/////」
「ホントにホントに知らねぇぞ?」
「………はい、大丈夫ですから/////」