家元の寵愛≪壱≫
「はぁ~~~間に合った~~」
「へ?」
「あ、ごめんな?俺、ちょっと怖かったか?」
「え?……はい、少し」
「フフッ…だろうな。6時までに入っとかないと渋滞に巻き込まれるんだよ」
………そうなんだぁ。
あっ、だからお義母様もあんなに急かしてたのね?
「ゆの、サービスエリアに寄ったら飯にしような?」
「あっ、はい」
「って言っても、ソレだけど」
隼斗さんの指差す先は私の抱えている袋が。
中を覗くと、サンドイッチと飲み物が。
1時間程してサービスエリアで休憩し、
再びどこだか分からない目的地へと出発した。
隼斗さんはシャワーを浴びて来たようで、
髪の毛が少し濡れている。
「隼斗さん、髪……」
「ん?あぁ~そのうち乾くよ」
蒼白いオーディオのライトが、
隼斗さんの横顔を艶めかしく照らした。
少しウトウトしかかった頃…