家元の寵愛≪壱≫


遅めの夕食を食べ終え、

お風呂にゆっくり浸かり、

さゆりさんが敷いてくれた布団に横になった。


この1カ月、真面に寝てないし食事も疎かにしていた。


メンタルが弱いと自覚していても、

初めて味わうこの感情に支配され、

自分でどうしていいのか分からなかった。



けれど、それも今日で終わり!!

ダメなら当てって砕けろってヤツよ!!


我慢して後悔するより、

遣るだけの事はやって後悔した方が良い。

………そう決意したんだ。



その夜、私は久しぶりに深い眠りへと誘われた。




―――――翌朝。


携帯のディスプレイをじっと眺め、

今か今かと待ち侘びている。



そして、彼が仕事へ向かう時間を見計らって

1通のメールを送った。


ヨシ!!

とりあえず、これでいい。

返信が無くても、仕方ない。


もし、彼から連絡が無かったら

その時はお義母様にでも手渡して貰えばいい。


――――――彼の誕生日プレゼントを。


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