家元の寵愛≪壱≫


携帯をカーディガンのポケットに収めようとすると、

ブブブブブッと突然携帯が震え出した。


私はすぐさまそれを確認すると、

愛しい旦那さまからのメールだった。



『17日、10時に迎えに行く』



それを見た私は、心臓がドクンと高鳴った。

だって、だって、待ち侘びていた言葉だったから。



すぐさま部屋を飛び出して、さゆりさんの姿を探した。

―――――居た!!



「さゆりさん!!」

「ん?……どうしたの?」

「あの、その、えっと……」

「フッ、……落ち着いて?」

「あっ、はい……」


気が動転して言葉が上手く出て来ない。

さゆりさんが背中を擦りながら笑顔を向けてくれている。


深呼吸した私は、


「隼斗さんから連絡が来ました!!」

「あら、本当?」

「はい!!明後日の10時に迎えに来てくれるそうです」


私はこれ以上無いほどに頬が緩んでしまった。

誰にも止められない程、倖せオーラがダダ漏れだと思う。


そんな私にさゆりさんは、


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