家元の寵愛≪壱≫
「逃がすかよ…」
極上なまでの甘美な声は
私の心と身体をも拘束した。
そっと重なる口づけ。
甘い吐息を零しながら
彼の熱い口づけに酔い始めた。
「フッ……母さんマジック、マジですげぇな」
「えっ?」
「ヤバいくらいにエロい」
「ッ!?////////////」
彼の言葉に失いかけた意識を取り戻し目を開けると、
既に上半身裸の隼斗さん。
思わず恥ずかしくて両手で顔を覆った。
鍛え抜かれた上半身。
色気を纏うブラックレザーのズボン姿。
艶めかしいにも程がある。
私のようなお子様が見て良い世界ではない。
すると、
何やら首筋がヒンヤリと。
指の隙間からそっと覗くと…
隼斗さんの指先が添えられていた。
そして、優しく降って来る彼の声。
「ゆの」
「……はい」
思わず返事をしてしまう。
顔を覆う手にそっと手が添えられ
ゆっくりと取り除かれた。