家元の寵愛≪壱≫
「へぇ~、それは楽しみだな」
「ッ?!////////」
「で?………俺に何をしてくれるワケ?」
「えっ、ちょっ//////」
隼斗さんは繋いでいない方の指先で私の髪を絡め取り、
妖艶な瞳でゆっくりと距離を縮めるように近づいてくる。
別に逃げたい訳じゃないのに身体が勝手に反応して
私は寝室のドアへと後退りをしてしまう。
だって、こういう時の彼はちょっと強引で
しかも、私が正気でいられなくなるくらい淫らにする彼になるから。
――――――ドンッ
「あっ」
とうとう逃げ場が無くなった。
閉められたドアの前まで追い詰められた私は、
彼の瞳から逃げる術を知らない。
捕らわれたままの私の瞳にも
段々と彼と同じように熱がこもる。
ゆっくりと近づく彼の吐息。
私はそんな彼を待ち焦がれたように瞳を閉じると、
睫毛に触れるだけのキスを落とし、
そして、優しく瞼にもキスが降って来た。
それはとても心地の良い温かさで
彼が触れてくれる部分から
火が点いたように熱を帯びるのを感じて………。