家元の寵愛≪壱≫


翌日―――――


早朝の最終打ち合わせを終え、

一旦、ホテルに戻り早めの昼食を。



そして……。



「ゆの、草履」

「はい」



俺は利休色の正絹お召着物に

濃茶色の無地馬乗袴に

薄茶色の羽織を羽織って…。


ゆのがそっと足元に差し出す草履を履いて。



「ゆの」

「はい」



柔らかい表情のゆのがスッと立ち上がる。


そんなゆのに……。



「んッ?!////////」



俺はすかさずキスをして、


――――――――チュッ。


唇を離す間際に軽く吸って。



「チャージ完了」

「////////」



顔を赤く染めたゆの。

俺とお揃いの利休色の着物を着ている。

グリーンカラーに映える頬の色。

………補色だからか?


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