家元の寵愛≪壱≫
布団で私を包み込み、大きく身体を反転させた。
「な、何するんですか!?」
「イイ…こと?」
「なっ!?////////」
隼斗さんは口角を少し上げて、
さらに不敵に微笑んで…
覆い被さるような体勢で見下ろして来る。
「ちょ、ちょっと!何してるんですか!?」
「フフッ……」
隼斗さんは私の乱れた前髪を手で流しながら、
「おめざの挨拶がないから」
「へ?」
お、おっ、おめざのあいさつって…何!?
意味が分からず、目を見開くと
隼斗さんは耳元で…
「キ・ス」
「ッ!!////////////」
瞬時にして顔が赤くなったのが分かる。
夫婦になったからって、
そう簡単には変わらない。
“キス”だなんて、
自分から出来るワケがない。
しかも、こんな明るい朝から……。