家元の寵愛≪壱≫


「来月下旬から2週間ほど、大学のセミナー合宿がありまして、家を留守にするのですが…」

「えっ?セミナー合宿?」

「はい、夏休みを利用して…合宿が…」

「あら、そうなの。何だか楽しそうねぇ?」

「え?」

「隼斗には話したの?」

「あっ、いえ……まだ」

「そう。あの子の事だから、ゆのちゃんが2週間も留守に…なんて聞いたら荒れるわねぇ」

「えっ?荒れる?」

「えぇ~そう!!杉下(執事)とゆのちゃんに御使いを頼んだだけでプンプンしてるもの」

「それは大袈裟ですよ…」

「大袈裟なんかじゃないんだから!!本当に24時間手元に置いておきたくて…。それくらい大事に想ってるのよ?あの子…」

「////////」

「でも、まぁ…大学の事なら仕方ないし、あの子も納得するでしょ?!」

「……はい」


どうしよう……。

『大学の事』じゃないんだけど…。

ますます話し辛くなって来た。


とりあえず、お義母様には報告出来たけど。

はぁ~~……。

ちゃんと今夜話さないと……。



その後、

帰宅した隼斗さんと共に夕食を。



そして―――――、


< 70 / 450 >

この作品をシェア

pagetop