家元の寵愛≪壱≫
「来月下旬から2週間ほど、大学のセミナー合宿がありまして、家を留守にするのですが…」
「えっ?セミナー合宿?」
「はい、夏休みを利用して…合宿が…」
「あら、そうなの。何だか楽しそうねぇ?」
「え?」
「隼斗には話したの?」
「あっ、いえ……まだ」
「そう。あの子の事だから、ゆのちゃんが2週間も留守に…なんて聞いたら荒れるわねぇ」
「えっ?荒れる?」
「えぇ~そう!!杉下(執事)とゆのちゃんに御使いを頼んだだけでプンプンしてるもの」
「それは大袈裟ですよ…」
「大袈裟なんかじゃないんだから!!本当に24時間手元に置いておきたくて…。それくらい大事に想ってるのよ?あの子…」
「////////」
「でも、まぁ…大学の事なら仕方ないし、あの子も納得するでしょ?!」
「……はい」
どうしよう……。
『大学の事』じゃないんだけど…。
ますます話し辛くなって来た。
とりあえず、お義母様には報告出来たけど。
はぁ~~……。
ちゃんと今夜話さないと……。
その後、
帰宅した隼斗さんと共に夕食を。
そして―――――、