家元の寵愛≪壱≫
何を言い出すかと思えば、
キスだなんて…無理に決まってる。
私は口を真一文字に結んで首を横に振ると、
「俺、断られると凹むんだけど…」
「えっ?」
隼斗さんは顔を背けてしまった。
どっ、どうしよう…。
私、隼斗さんを傷つけちゃったかしら?
「えっと……あの……」
何て言っていいのか分からない。
じゃあ“キスします”って言えってこと?
そんなの絶対無理だよ。
もう、こんな時に玲ならどうするのかな?
私が返答に困り黙っていると、
隼斗さんは私の身体の上から退いた。
ベッドに腰掛け無言で私に背を向ける。
どうしよう…怒らせちゃったかな?
私はゆっくり布団を剥いで起き上がると、
!!!!!!! チュッ。
「不意打ちおめざ戴き!!」
「なっ!!////////」
起き上がり際に軽く唇を奪われた。