家元の寵愛≪壱≫


おいおい、完全にいい奴じゃねぇか。


遠目だったからしっかりとは見てないが、

長身のイケメン風だった気がする。



「ゆのは……アイツの事が好きなのか?」

「へ?」

「アイツから何か貰ったのか?」

「はい?」

「惚けんなって。俺、見てたんだぞ?」

「……な、何をですか?」



俺はゆのが肩から掛けてるポシェットを指差し



「その中にアイツから貰った物が入ってんだろ?」

「……えっ?」



ゆのは驚いた表情をして、何かを考え始め

そして、何やら慌て始めた。



「えっ、えぇっ…ち、違います!!」

「何が違うんだ?」

「彼からは何も貰ってません」

「じゃあ、その中…俺に見せれるか?」

「えっ?!」



ゆのはフリーズした。


やっぱり、何か隠してんじゃねぇか!!


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