家元の寵愛≪壱≫
「お先に有難うございました」
俺はゆのの声で立ち上がり、
着替えを持って浴室へ。
風呂から上がると、寝室に正座するゆのが。
俺は彼女の前に胡坐を掻いた。
お互いじっと見つめ合い…
「で、話とは?」
俺は沈黙を破るように口を開いた。
すると―――――、
「まず始めに、隼斗さんに謝らなければなりません」
「ッ?!」
やっぱり……俺の予想通りか。
俺は小さく息を吐いて、
「ん?」
「私……嘘をつきました」
「嘘?」
「はい」
「どんな?」
「だ、大学の…セミナー合宿というのは嘘です」
「は?」
おいおい、
何を言い出すかと思えば、そこかよ?!
俺はゆのの言葉でますます混乱し始めた。
すると、