家元の寵愛≪壱≫
「で、どんな車?色は?」
「えっと…白い軽自動車です」
「はっ?!軽!?……軽自動車?」
「はい」
「何で?」
「へ?何でと…申しますと?」
隼斗さんは何が聞きたいの?
軽自動車じゃ何か問題でもあるのかな?
私が様子を窺うと…
「はぁぁぁあぁぁぁ~~」
突然、仰向けに倒れ込んで
大きなため息を再び、零した。
「あの……私何か、イケナイ事をしたのでしょうか?」
「ん~…いや、俺が理解してなかっただけだ」
「へ?……理解?……何のですか?」
「ゆのの」
「えっ?……私ですか?」
「あぁ……はぁぁ~~あぁ~~」
隼斗さんは大声を出しながら
髪を掻き乱し、脚をバタつかせた。
私の理解って……何の事?
私は彼の顔を覗き込んで…