運命の果ての恋〜歴史は変わらない〜
「…」
美夜が通院している場所に、先についてしまった重太郎。
これも自業自得。
美夜が、悪いのだ。
だからその前で立ってまつ事にした。
真昼間になったら太陽も真上に居座っている。
あぁ、陽炎が見えるくらいじゃないか。
まぁ実際には見えていないのだけれど。
川が激しく流れるようにして歩く人や、小川のようにしてゆっくりと歩く人。
一人一人違うのがまた面白い。
全員醤油顔って言われればそうなのだが。
皆、共に居る人や。
表情、歩幅、口調、着物の色。
そんな人々をぼぅっと見ながら、重太郎は少し目を細めた。
眩しいのか。
はたまた何かを思いだしたのか。
それは、彼自身にしか分からない事だった。