運命の果ての恋〜歴史は変わらない〜



「…」

あれは、重太郎っぽい人。


いや、絶対重太郎だろうが。

先ほどの件があり、目を細めてその人物を見る。


そしてまた、思い出す。

照らし付ける光が、よけいに熱く思えた。


数メートルまで近づくが、声はかけない。

煩い人混みの中でも声なら聞こえるくらいか。


「武智」

壁にもたれ掛かっていた重太郎が。


そう、目を細めて美夜を呼んだ。

眩しいのか。


きっと、日差しのせいだろうが。

美夜には、少し微笑んでいるように見えたのは。


先ほどの件があったからかもしれない。



(よかった…重太郎だ…)


< 111 / 137 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop