運命の果ての恋〜歴史は変わらない〜
しばらく沈黙が続く二人。


二人は、沈みゆく夕日をただ見ていた。


沈黙は、二人にとっては苦しいものではなかった。


ゆっくりと流れる時間が、美夜には心地よかった。


龍馬は、子供を愛でるかのような優しい瞳で、美夜を見つめていた。


美夜は、だんだんと眠気が襲ってきた。


自分でもわかるくらい目が虚ろになってきていた。


まだ、寝たくない美夜は沈黙を破り口を開く。


「ねぇねぇ、龍馬」


車が通る煩い音も、なかった。


寝かけの美夜の小さな言葉も、龍馬の耳には届いた。


「どうしゆう??」


しばらく夕日を見つめていた龍馬は、また美夜を見つめなおし、優しく返事をする。


「…私が言う話、信じてくれる??」


美夜は、小さくて拙い声しかでなかったが、ちゃんと龍馬の耳に届く。


「おぅ」


龍馬は、美夜にずっと見せていた笑顔をさらに輝かせて笑う。


美夜は、少しずつだが、龍馬達を、信頼していった。


さすが歴史に名が残るだけあって、美夜には様々な衝撃を与えた。


美夜は、しばらく悩んだ。


自分が、未来から来たなんて、信じてもらえるか。


少し鼓動が早くなる。
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