運命の果ての恋〜歴史は変わらない〜
「龍馬は…どうして国を変えようとしているの…??」


どうしてなのか。


美夜の時代に生きる人は、こんな人いない。


命も家もほっぽって。


国が捨てた国に、どうしてこだわりを持つのか。


龍馬は、ゆっくりと口を開いた。


「やっぱり、わしらは間違ってるかもしれんき。」


今までの龍馬とは考えれない低い声で、つぶやいた。


静かな空気では、当然美夜の耳に届いた。


しかし、美夜は龍馬にそんな事を言わせたいわけじゃなかった。


美夜は急な龍馬のテンションの下がり様に、少しあわてふためく。


「けんど」


すこし間を開けて聞こえる龍馬の声。


何故か美夜は、龍馬の声を聞こうと耳に全神経をやった。


「わしは、今間違っとる言われゆう方が間違っちゅう気がするちゃ。だから、間違いを正解にするために意地ばはってるのもあるきぃ…」


美夜の脳裏に、佳が言った言葉を重ねた。


二人は、全くの正反対。


佳は、世の中の間違いと言われるとうりに生きる。


龍馬は、世の中では間違いと言われていても、自分の思った通りに生きる。


かしこいのは、佳。


でも…美夜は。


何故か龍馬に惹かれた。


理由は、美夜には分からなかった。


ただら龍馬を見ると。


今まで以上に、心臓が高鳴るのは、美夜もわかっていた。


でも今は…。


見て見ぬフリをした。
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