運命の果ての恋〜歴史は変わらない〜
龍馬と佳は、正反対なのに。


美夜にはどこか同じ感じがした。


けど、美夜には、また分からない。


しかし美夜はさほど気にしなかった。


美夜の頭には、龍馬の事で、いっぱいだったから。


「龍馬は…すごい…」


おもわず、美夜はため息のように、言葉を漏らした。


「どういてわしが??」


龍馬はわかってなくて、首を傾げる。


「だって…自分に素直だし…自分自信を通す強さがあるから…私には…ない…から」


一つ言葉を漏らすと、後から後から言葉が溢れてきた。


それも、とめどなく。


美夜は止めるすべも知らず、止める事もせずにただ話した。


「アハハハ」


すると、弱音を吐く美夜の声を塞ぐようにして、龍馬が笑う。


「わしかて、強いわけやないがぞね。わしも、皆に支えられて生きゆう。誰しも、一人でいきれるワケじゃなか…」


そう言う龍馬の瞳は、とても優しかった。


「おまんかて…そばで支えてくれゆう人が居るはずやき…おまんは、一人じゃなか」


美夜は、龍馬に言われた通りの人をフル回転で探した。


…いた。


佳。


美夜は、自分はどれだけバカなんだと思った。


いつも、佳は美夜を支えていた。


なのに。


美夜は佳に酷くあたっていた。


誰も自分を見てくれないと。


そう、思い込んでいた。


黙ってただずっと佳は、美夜を暖かく見守り続けた。


だから、美夜は佳に恋をしたのかもしれない。


初めて、佳のありがたさに美夜はきづいた。


結局、逃げていたのは、自分。


世の中のせいにして逃げていたのは美夜は、自分だという事に気付いた。


佳は決して美夜に文句も言わずにただ側で美夜を支えていた。


今龍馬に言われて気付いた事だが。


美夜はただひたすら心の中で、『ありがとう』と『ごめんなさい』を言った。


「それがたとえ一人しかおらんでも、一人もおらんくても大丈夫やき。…わしが。…わしがおまんを支えても…いいがか??」
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