運命の果ての恋〜歴史は変わらない〜
「…おまんは、はちきんかえ」


ククッ、と喉を鳴らしながら馬鹿にするように私を笑う。


それがなんとなくムカついたから、もっと暴れてやった。


すると。


暴れてた手が、重太郎の着物のえりっぽい所にひっかかり、肌が露出する。


抵抗していた私の手を止める重太郎の手も私の来ていた着物のえりっぽい所にひっかかり、肌が露出する。


お互い露出度かなり高い。


重太郎は気にせず。


は…肌が近づいてくるぅぅぅぅぅ!!!


鼻血また来ちゃうぅぅぅぅ!!!


結構いい体してる重太郎。


じゃなくて!!


どうでもよくないけど、どうでもいい!!


あ。


手紙取られちゃった。


あれだけ抵抗したのに結局とられちゃった。


すっかりくしゃくしゃになった手紙を重太郎は広げていく。


恥ずかしい…。


穴があったら入りたい。


私はすっかり縮こまってその場で三角座りをした。


「ふーん…」


重太郎は中身を確認するわけでもなく、ただ私を見つめた。


差出人を見て、少し口元を緩めているし。


やっぱり…笑われるんだ。


「武智」


優しく名前を呼ばれた。


また、心臓が痛くなるくらいじわりとする。


顔を上げると、さっきまで距離は空いていたハズなのに、また近づいていて。


あぁ、また頭が絡まっちゃう。


「この手紙はな」
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