運命の果ての恋〜歴史は変わらない〜
続きを言おうとした重太郎の肩に、ガシリと力の入った手がおかれる。


「いだっ!!龍馬、おまんいつから起きゆう!?」


重太郎は龍馬の手を叩く。


龍馬は、何かスッゴく黒いオーラを出している。


「そげにはしゃいで起きんやつはおらんがぞね」


龍馬の声は聞いたことのないくらい低くて。


どうやらマジギレしているらしい。


どうして…??


寝起きにはしゃがれたから??


でも、龍馬はそんなので怒るほど心は狭くないはず。


「…わしの美夜ちゃんになんしゆう…きさん」


…どうして…


わしの、なんて言うの??


私を勘違いさせて楽しい??


龍馬のその一言で、私は大きく変わってしまうのに。



「わかったき…」


重太郎はぼやきながら立ち上がり、この場を後にした。


すると龍馬は拗ねたような顔をしてこちらをじとりと見てる。


「…美夜ちゃん、おんしゃ…わしよりも重太郎がいいかえ??」


龍馬の声は、柄になく、弱く震えて消え入りそうだった。


どうして、龍馬がそんな顔するの??


どうして、私が悪いみたいになってるの??


どうして、私は罪悪感を感じてるの??


どうして、私はまだ龍馬がいいって思ってるの??


もう…。


さっきから、どうしてばっかり。


辛い。


龍馬には、女いるくせに。


どうして私に構うの??


龍馬が愛され愛してる女がご丁寧に龍馬を心配して手紙まで出してるじゃない。


最低。


女だったら誰でもいいの??


最悪。


まだ龍馬の事信じてる。


なんなのよ…。


どうして、うまくいかないのよ…!!!


私が読んでた漫画みたいに、相思相愛になるんじゃないの??


漫画みたいにして龍馬と出会ってるんだからさ。


まだ、願ってる自分がいる。


神様。


どうか、手紙の相手は龍馬の愛するひとじゃありませんように。


どうか、龍馬が私だけを愛していますように。


ってね。
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